崩壊する職場と、僕の静かなサバイバル戦略
最近の我が社は、昭和の良き中小企業から、平成の狂った企業への進化を目論む野暮な野郎たちのせいで、居心地が悪く、やる気がどんどんと削がれ、仕事ができる人間から尻をまくりはじめています。その結果、我が社に残るのは、ボンクラとイエスマン、そして、やる気のない人間たちという瀕死の状態に陥っています。
そもそも、令和の現代、人材を確保するために、初任給を上げるだとか、働き方改革だとか、色々と従業員が離れないように企業側が努力をする時代に、人件費を削り、一人何役もこなすことを強要し、仕事ができる人間を鍛え上げ、どこに行っても活躍できるスキルと根性に対する対価を払わないから、仕事ができる人間は、待遇の良い他社に移籍をし、残るのは仕事ができないボンクラと上からの命令に絶対服従のイエスマンだけになるのです。
ちなみに、我が社の現状は日常の業務すらままならない状態で、過去の遺産で細々と食い繋いでいる状態です。新しい顧客を獲得する活動も、業務の改善も、効率化も、IT化も、残るメンバーで行うには心許ない・・・と言うか、どう考えても無理な話で、このまま、真綿を締め付けるように苦しくなるのが目に見えています。
もし仮に、我が社の経営陣が、現状を把握しておらず、対策を取らないのであれば、もって三年。早ければ、今年中に解散することになりそうです。
とは言っても、僕は類稀なるセンス・・・もとい、前職で身につけたプログラミングスキルとWEBマーケティングの知識、さらには、旧知の仲間たちとのネットワーク、そして新しく取得を目論んでいる『中小企業診断士』の資格により、次の食い扶持は確保できそうなので、傍観者的に構えています。
なんだかんだと、今の職場は、そこそこの給料が貰え、仕事量が少なく、一言でいればラクなので、ベーシックインカムとして考え、ちょろちょろと副業として、プログラミングやマーケティングのスキルに磨きをかけつつ、『中小企業診断士』の資格取得に向けた学習をすることに決めました。
僕を始め、多くの従業員は、既にやり尽くした感が強く、いまさら何をどう足掻いても、会社が良くなるとは思っておらず、業績が悪くなろうが、給料さえ貰えていれば問題ないという消極的な考えで働いています。
我が社の経営課題は山積し、解決するためのリソースが足りていません。と言うか、売上は緩やかに減少し、知識や経験が豊富な人間は退職し、残っているリソースはボンクラたちと潰し切れないほどの暇な時間だけです。
そして、必死に足掻いているのは、知識も経験が乏しい癖に、やる気を漲らせる困った人たちです。その烏合の衆どもは、間違った情報を鵜呑みにし、明後日の方向に会社を導いています。
見ていて感じるのですが、情弱の人間は、当たり前のように情報の真偽を確かめません。加えて、正しい情報でも、自分の都合に合わせ捻じ曲げ、解釈を変えることで、想像も情報に仕上げます。そして、清々しいほど実直と言うか、一切の迷いなく、間違ったレールの上を全力で滑走するのです。
中小企業の経営コンサルタントの資格である『中小企業診断士』を目指す人間としてはどうかと思いますが、僕は間違いを指摘するつもりは毛頭ありません。と言うのも、この手のタイプの人間は、他人の意見は、全て『批判である』と認識し、感情的に逆ギレをしてくるのが目に見えているからです。
なので、僕は傍観者として、廃れ行く企業を関係者として体感できる貴重な機会を楽しんでいます。
これは僕の持論ですが、時代の変化についていけない。もしくは、現状で上手くいっている場合は、無理な構造改革などせず、地味で小さな改善を繰り返す方が、会社の財産は守れる。その改善を行うために、現状を把握・分析し、改善案の作成・計画、改善の実行、そして評価する。地味ではありますが、確実に改善が行えるようになります。
そして、我が社のように構造改革で失敗するのは、基本的に現状の分析も行わず、無計画に行動し、評価もせず「ダメだ、ダメだ」と大騒ぎし、新しい施策を行い、さらに問題を広げ、どんどんと湧き出てくる課題をモグラ叩きのように潰していく・・・。
と、ここまで書いていて、会社が衰退していく過程は、幾度も経験したシステム開発での『デスマーチプロジェクト』・・・収拾がつかなくなり、火消しに参戦したプロジェクトの末期と似ています。本人たちは思い込みが強く、原因に気づけない状態になっています。こうなると、どれだけ正論でぶつかっても、拒否されるんですよね・・・。
無駄なストレスを溜めたくないので、高みの見物を決め込みます。