なぜ私は辞めるのか 〜退職が続く職場の経営者へ伝えたいこと〜

この投稿は、会社に嫌気が刺し、退職を決意した僕が、会社に残る仲間のため、我が社の社長を含む経営陣への要望を書き残そうと思っている。

と言うのも、中小企業診断士の合格を目指す僕は、資格取得後に同じ悩みを持つ企業から似たような相談を受ける可能性がある。つまり、将来の僕へのメッセージでもあるからです。

僕は、中途採用である中小企業で数年勤めました。そして、この投稿は、退職の直前に記すものです。

実は、今年に入ってから、我が社では退職が続いています。そして、僕が「辞める」と言った今、社内騒然・・・「なんで急に?」と驚いている上司や経営層の声も聞こえてきます。

でも──正直に言います。

これは突然の出来事ではありません。

辞める人たちの中には、何ヶ月も前から悩み続けていた人がほとんどです。「このままじゃ無理だ」と思いながらも、ギリギリまで耐えていたのです。

そして僕も、その一人です。

「これといって不満は聞いていない」という経営者へ

僕たちは、あまり口にしません。でもそれは「不満がないから」ではなく、言っても変わらないと諦めているからです。

  • 評価される人とされない人の差が不透明
  • やりがいよりも「回らない現場」を回すことばかり
  • 業務量に対して人が足りない
  • 上に届かない現場の声

こういった問題は、小さな綻びのようで、積み重なれば十分に退職理由になります。

会社は「辞められる理由」に気づいていますか?

よく「最近の若い子は我慢が足りない」と言われます。でも、僕たちは耐えています。何年も、何ヶ月も。

それでも辞めるのは、「ここにいても、今後も同じだろうな」と見切った瞬間です。

退職は、逃げでも裏切りでもなく、未来への決断です。そう思わせてしまう環境に、ほんの少し目を向けてほしいのです。

今、経営者にお願いしたいこと

もしこれを読んでいるあなたが、「なぜうちの社員は辞めていくんだろう?」と考えているなら──以下の3つを試してほしいのです。

  1. 耳の痛い声を、まず聞いてみてください
    退職面談で「円満退職です」と言うのは、本音を伏せているだけです。匿名のアンケートでも、1on1でもいい。社員の“リアルな声”を聞いてください。
  2. 「評価される人/されない人」の線引きを明確に
    頑張っても報われないと感じる人ほど、離れていきます。
    指標や言葉を明確にし、「見てくれている感覚」を持たせてください。
  3. 小さくても変化を見せてください
    大きな制度改革でなくていいんです。
    - 週1でミーティング時間を短くする
    - 昼休憩をずらして取りやすくする
    - 雑談でも社員の様子を聞く

そんなことから、信頼は回復していきます。

最後に:社員は経営者に期待しています

もし、僕たちが本当に何も期待していなければ、辞める理由すら伝えず、そっと去ります。

この記事を書いたのは、まだ「この会社には良くなってほしい」と思っているからです。

経営者が本気で変わろうとする姿勢を見せてくれたなら、今いる社員の中には、まだ「残りたい」と思っている人もいるはずです。

「辞められた」ではなく、「なぜ辞めさせてしまったのか」を、一度立ち止まって考えてもらえることを願っています。