市場の失敗とは? 外部性・公共財を氷河期世代向けに爆速で理解!

「えっ、それって本当に“自己責任”なんですか?」

僕は、就職氷河期の直撃を食らいました。

「努力すれば報われる」と信じて走り続けたのに、走った先には求人ゼロ。そんな時代を生き抜いた僕たちには、“経済の仕組み”そのものに不信感を抱く資格があるのではないでしょうか。

でも実は、そんな理不尽も「経済学的には説明がつく」場合があります。

それが中小企業診断士試験でも頻出テーマである 「市場の失敗」です。

市場の失敗ってなんだ?

まず大前提ですが、市場って万能ではありません。

いくら自由競争が理想って言われても、放っておくと社会が損する場合があるんです。

その代表例が・・・

  • 外部性(がいぶせい)
  • 公共財(こうきょうざい)

この2つは、診断士試験の「経済学・経済政策」分野でほぼ毎年のように狙われます。

そして何より、「世の中のモヤモヤ」にピッタリ名前を付けてくれる概念なんです。

外部性:誰かの行動が、こっちに影響してくる件

外部性とは?

ざっくり言うと、「自分の行動が、他人に思わぬ“得”や“迷惑”を与えてるのに、お金もらえない(払わなくていい)」現象。

経済学的に言うと『ある経済主体(企業や個人)の行動が、意図せず第三者に影響を与えることです。しかもその影響が、市場取引を通じてやりとりされないため、価格に反映されていない現象』です。

正の外部性(得を与えても報われない)

他人にとって「いい影響」を与えてるのに、報われない・・・

  • あなたが後輩に丁寧に仕事を教えた → チームの生産性アップ
  • でも評価は「チーム全体」で、あなた個人にボーナスは出ない・・・

診断士試験での出題ポイント

市場に任せると、正の外部性は「過少供給」になります。それはそうですよね・・・報われないなら、やる人は減ってしまいます。

そうすると、政府が補助金や支援で促進するべきという結論になります。

負の外部性(迷惑かけてもお咎めなし)

他人に「悪影響」を与えてるのに、ノーペナルティ。

  • 隣の工場がバンバン排煙を出す → あなたの洗濯物が台無し
  • でも工場はあなたに「迷惑料」を払わない・・・

診断士試験での出題ポイント

市場に任せると、負の外部性は「過剰供給」になります。 誰にも怒られないなら、やりたい放題ですよね。

だから、政府が規制したり課税(環境税など)すべきという結論になるんです。

このように、外部性があると本来のコストやメリットが価格に反映されません。市場に任せっきりだと、社会全体で損する構造になります。

公共財:みんな使いたいけど、誰もお金を出したがらない問題

公共財とは?

次は「公共財」というやっかいな存在についてです。特徴は以下の2点。

特徴

説明

非排除性

お金払わなくても使える

公園、信号、国防

非競合性

誰が使っても他の人に影響しない

街灯、テレビ放送など

問題は「タダ乗り」

公共財って、「誰かが用意してくれるのはありがたいけど、自分はお金払いたくない」ってみんな思うんですよね。

その結果、誰もコストを負担せず、提供されなくなってしまいます

  • 近所に防犯カメラがついた → 安心感アップ
  • でも「設置費用出して」と言われるとスルー

まさに“タダ乗り”です。

なぜ診断士試験でよく出るのか?

これらは「市場の失敗」の代表例だからです。診断士試験では、

  • 「外部性があると何が問題?」
  • 「公共財はどうやって供給すべき?」
  • 「市場に任せるべきか、政府が介入すべきか?」

といった設問で狙われます。

キーワードを押さえておきましょう。

用語

意味

外部性

他人の行動が市場を通さずに自分に影響する

正の外部性

恩恵を受けるけど対価が発生しない

負の外部性

損害を受けても補償されない

公共財

みんなが使えるけど料金を取りにくい財

タダ乗り

他人の負担で利益を得て、自分は払わない

市場の失敗

市場原理だけでは効率的に資源配分できない状態

どうすれば解決するの?

市場に任せておけない以上、政府の介入が必要になります。

問題

解決策

負の外部性

課税、規制(例:環境税

正の外部性

補助金(例:教育支援)

公共財

政府が税金で提供する

中小企業診断士試験でも、「政府の役割」がよく問われます。ここは絶対落とせないポイントです。

まとめ:あの“理不尽”にも、ちゃんと名前があった

  • 努力しても報われない。
  • 誰かのせいで損しても、誰も責任を取らない。
  • みんな使ってるのに、自分だけ払ってる気がする。

そんな感覚を、「経済学」はちゃんと説明してくれます。

中小企業診断士を目指すなら、知識だけでなく「あの時代を生きた納得感」も思い出してください。

以下の投稿で外部性・公共財について詳しく説明しています。

 

hirame18.hatenablog.jp