コーラ1本でわかる!名目GDPと実質GDPの違い

前回は「GDPとインフレの関係」についてやさしく学びました。今回はもう一歩進んで、名目GDP実質GDPの違いについて解説します。

 

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・・・といっても、「なんだか難しそう」と思いますよね?

でも大丈夫。コーラ1本でスッキリ理解できます!

GDPには「見た目」と「本当の姿」がある

例えば、あなたがある町の経済を観察しているとしましょう。町の人たちが何をどれだけ買っているかを記録して、GDP国内総生産)を計算します。

でも、ここでひとつ問題が出てきます。

「コーラの値段が変わったら、それだけでGDPも変わってしまうの?」

実はその通り。だからこそ、GDPには2つの見方があるんです。

  • 名目GDP:その年の「見たままの金額」
  • 実質GDP:物価の変化を取り除いた「本当の成長」

コーラで考えてみよう!

では、例を見てみましょう。

2024年のある町

  • コーラ1本:100円
  • 1年間で売れた本数:1,000本
  • 売上(GDP)=100円 × 1,000本 = 10万円

2025年の同じ町

  • コーラ1本:120円(物価が上がった)
  • 1年間で売れた本数:1,000本(同じ)
  • 売上(GDP)=120円 × 1,000本 = 12万円

「おっ、GDPが10万円 → 12万円に増えたぞ!経済が成長したんだ!」

・・・と思ったあなた、ちょっと待ってください。

増えたのは「量」ではなく「値段」だった!

よく見ると、売れた本数はどちらも1,000本で変わっていません。

違うのは「1本あたりの値段」だけです。つまり、モノの量は増えてないのに、GDPだけが増えたように見える。それが「名目GDP」の落とし穴です。

名目GDPと実質GDPをくらべてみよう

年度

コーラの価格

売れた本数

名目GDP

実質GDP(※2024年の価格で計算)

2024

100円

1,000本

10万円

10万円

2025

120円

1,000本

12万円

10万円

実質GDPは変わってない!
→ つまり、「経済は実は成長していない」ということになります。

なんで実質GDPが大事なの?

経済が本当に成長しているのか、それとも値段が上がってるだけで中身は変わってないのかを見極めるために、実質GDPが必要なんです。

政治家や企業、そして中小企業診断士が正しい判断をするために、「本当の実力」を見る目が必要なんですね。

名目GDPと実質GDPのまとめ

用語

意味

イメージ

名目GDP

その年の価格で見たままの経済の大きさ

「見た目の売上」

実質GDP

物価変動を除いた“本当の”経済の成長

「内容だけを比べた成長ぶり」

 

たとえば、「給料が月30万円になったけど、物価も同じだけ上がってたら、実質的には何も変わってない」ってこと、ありますよね?

それと同じです。

試験対策ポイント

中小企業診断士の試験では、

  • 「名目GDPが上がっている=景気がいい」と思わせておいて、
  • 「実質GDPは変わっていない」などの引っかけ問題

が出ることがあります。

名目と実質のちがい=“物価の変化を除いて考える”こと!

これだけはしっかり押さえておきましょう。