「GDPデフレーター」って何?
前回のおさらいです。
たとえば、コーラの値段が上がってGDPも上がったように見えても、「実際のモノの量」が増えてなければ、それは見かけ倒しの成長です。
じゃあ、
「名目GDP」と「実質GDP」の差って、どうやって計算してるの?
その答えが、「GDPデフレーター」です。
GDPデフレーターって何?
簡単に言うと、GDPデフレーターはこういうものです。
名目GDPを実質GDPで割って、物価の変化を数値で表したもの
数式で表すとこうなります。
GDPデフレーター(%) =(名目GDP ÷ 実質GDP)× 100
つまり、GDPデフレーターは「物価がどれくらい変わったか」を示す指標です。
コーラで再び!具体例でスッキリ理解しよう
2024年の町(基準年)
2025年の町
- コーラ:120円(値上がり)
- 売上(名目GDP)= 120円 × 1,000本 = 12万円
- 実質GDP(価格を100円に固定して計算)=10万円
- GDPデフレーター=(12万 ÷ 10万)×100 = 120
→ GDPデフレーターが 100→120に上がった。これはつまり、物価が20%上がったことを意味します。
「GDPデフレーター」が大事な理由
「インフレが進んでるのか、それとも経済の中身が大きくなったのか」を見極めるために、物価の影響を数値でつかむ必要があります。
それができるのが、このGDPデフレーターです。
実際のビジネスや政策判断では、こんなふうに使われます。
他の「物価指数」との違いは?
経済には他にも「物価指数」があります。
例えば
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指標名 |
主な対象 |
特徴 |
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消費者物価指数(CPI) |
一般家庭の買い物 |
私たちの生活に近い物価の変化を見る |
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企業物価指数(CGPI) |
企業間での取引価格 |
原材料や部品などの物価変動を見る |
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経済全体(国内で生産されたすべて) |
経済全体の“モノとサービス”の物価変化 |
→ GDPデフレーターは、経済全体の“平均的な物価の動き”を示します。
→ 「物価全体が上がってるか?」を見るには、CPIよりもGDPデフレーターのほうが広い範囲をカバーします。
まとめ:GDPデフレーターで「経済の温度」を測ろう!
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用語 |
カンタンな意味 |
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名目GDP |
その年の価格での経済の大きさ |
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実質GDP |
物価の影響を取り除いた“実力” |
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名目と実質の差=物価変化の指標 |
GDPデフレーターは、経済という体温計の「温度」を測るような存在です。
「熱があるのか(インフレ)?」「冷えているのか(デフレ)?」を、数値で教えてくれます。