「三面等価」ってなんだ!? GDPの「生産」「支出」「分配」は、なぜ同じになるのかをスッキリ解説!
GDP(国内総生産)と聞くと、「1年間に国内でどれくらいのモノやサービスが作られたか」というイメージですよね。
でも、実はこのGDP、次の3つの面から見ることができるんです。
- 生産面(どれだけ作ったか)
- 支出面(どれだけ買われたか)
- 分配面(誰にどれだけお金が渡ったか)
そしてこの3つ、最終的にはすべて「同じ金額」になるという不思議な関係を持っています。
それが、三面等価(さんめんとうか)です。
めちゃくちゃシンプルに言うと
例えば、あなたが100円のジュースを作って売ったとしましょう。
- あなたが作った(生産):100円分
- お客さんが払った(支出):100円
- あなたがもらった(分配):100円
みてわかる通り、全部100円ですよね。
つまり、「生産=支出=分配」になる。これが三面等価の原理です。
それぞれの面をもう少し深掘り!
生産面のGDP(生産=どれだけ作ったか)
国内で企業や人が1年間にどれだけモノやサービスを生産したかを集計します。
例:自動車工場が車を1000台作った、パン屋さんが1万個パンを焼いた、など。
支出面のGDP(支出=どれだけ使ったか)
最終的に消費者や企業、政府がどれだけお金を使ったかを集計します。
これはおなじみの「支出=C+I+G+X-M」です。
- C:個人消費
- I:企業の設備投資
- G:政府支出
- X:輸出
- M:輸入
分配面のGDP(分配=誰にお金が回ったか)
生産されたモノやサービスの代金が、「誰の所得になったか」を集計します。
- 企業に働いた人:給与
- 工場や土地のオーナー:利子や地代
- 経営者や株主:利益
こうした所得の合計が、結局GDPになるというわけです。
なぜ3つが等しくなるの?
簡単に言うと、
「モノを作った」→「誰かがそれを買った」→「そのお金は誰かの所得になった」
このお金の流れ”が必ず一周するからです。
経済は「誰かが払ったお金は、必ず誰かの所得になる」仕組みです。
- 生産(モノをつくる)
- → 支出(誰かが買う)
- → 分配(お金が配られる)
- → また原材料などを買って生産へ・・・
この「グルグル回る経済の輪」が、三面等価を成り立たせているのです。
三面等価は本当に「ピッタリ」なの?
理論上はイコールですが、実際の統計では少しズレが出ます。
- 物の在庫が残っていたり
- 売上が記録に残っていなかったり
- 測定ミスがあったり
そんなときは「統計上の誤差」として調整されますが、試験では「三面等価=理論上は完全に一致」として覚えておけばOKです。
試験対策ポイント
- 三面等価は「生産=支出=分配」がキーワード!
- それぞれの面で、何を合計しているかを覚える
- 「支出面=C+I+G+X-M」は超頻出。確実に覚える!
まとめ:GDPは“同じものを3方向から見た姿”
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面 |
見るポイント |
覚え方 |
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生産面 |
どれだけモノを作ったか |
作る |
|
支出面 |
どれだけお金が使われたか |
買う |
|
分配面 |
誰がどれだけ受け取ったか |
もらう |
経済は「作る・買う・もらう」がセットになっています。
だから三面等価は成立するんですね。