失業保険、いくらもらえる? 50歳、自己都合→会社都合へ

退職するにあたり、失業保険について調べているのですが、僕の場合は特定受給資格者に該当するらしい。特定受給資格者とは、簡単に言えば『会社都合での退職』で、失業保険の支給開始が早くなるし、受給期間が長くなるそうです。

これからの生活を支えるためにも、まずは失業保険(雇用保険の基本手当)について徹底的に調べることにしました。

「50歳」「勤続21年」「会社都合退職」「月給50万円」――僕と全く同じ境遇の方は少ないかもしれませんが、退職を控えている方にとって、僕の経験が少しでも参考になれば幸いです。

この記事では、調べた情報を元に、「結局、いくらもらえるの?」「いつから、いつまで?」といった皆さんの疑問に答えていきます。

会社都合退職「特定受給資格者」とは?

失業保険の受給資格は、大きく分けて以下の3つがあります。

  1. 一般の離職者:いわゆる自己都合退職など。給付制限期間がある場合が多いです。
  2. 特定理由離職者:正当な理由のある自己都合退職(病気、介護など)や、期間満了による退職など。
  3. 特定受給資格者:会社都合退職(倒産、解雇など)。運よく、僕の場合は、ここに該当するそうです

特定受給資格者の最大のメリットは、以下の2点です。

  • 給付制限期間がない:自己都合退職の場合、通常2ヶ月(2025年4月1日からは原則1ヶ月)の給付制限期間がありますが、会社都合退職の場合はこれがありません。つまり、待機期間(7日間)が過ぎればすぐに失業保険の支給が開始されます。
  • 給付日数が手厚い:後述しますが、会社都合退職の場合、雇用保険の加入期間に応じた給付日数が、自己都合退職よりも大幅に長くなります。これは本当に大きいです。

最重要!「基本手当日額」の計算方法と僕のケース

さて、一番気になるのが「いくらもらえるのか?」という点ですよね。失業保険は、1日あたりにもらえる金額「基本手当日額」と、支給される期間「所定給付日数」で決まります。

賃金日額の算出

基本手当日額の元になるのが、「賃金日額」です。これは、原則として退職日直前の6ヶ月間の賃金総額を180で割った金額です。ボーナスは含みません。

僕の場合は、月給50万円だったので、

50万円×6ヶ月 = 300万円
300万円 ÷ 180日 = 16,667円

僕の賃金日額は16,667円ということになります。

基本手当日額の計算

賃金日額が算出できたら、そこから基本手当日額が決まります。これは、賃金日額の約50%~80%が目安とされており、賃金が低いほど給付率が高くなる仕組みです。

しかし、ここで重要なのが「上限額」の存在です。失業保険には年齢によって基本手当日額の上限が定められています。

僕の年齢(50歳)の場合、「45歳以上60歳未満」の区分に該当し、基本手当日額の上限は8,635円(2024年8月1日以降の目安額)です。

つまり、僕の賃金日額(約16,667円)から計算すると、本来の給付率はかなり高くなるはずですが、上限額を超えてしまうため、基本手当日額は上限の8,635円が適用されることになります。

正直、月給50万円だったのに、日額8,635円と聞くと少し少なく感じるかもしれません。でも、これはあくまで「失業中の生活を支えるための保険」なので、ある意味仕方がないことと割り切るしかないですね。

ここがポイント!

失業保険の金額は、あなたの「月給そのもの」がそのまま反映されるわけではありません。賃金日額を計算し、さらに年齢に応じた上限額があることを覚えておきましょう。

長期戦も覚悟!「所定給付日数」は驚きの330日!

失業保険の総額を左右するもう一つの要素が、「所定給付日数」、つまり失業保険が支給される期間です。これは、退職理由と雇用保険の加入期間によって決まります。

僕は、「会社都合退職(特定受給資格者)」で、「雇用保険加入期間21年(20年以上)」でした。

調べたところ、所定給付日数はなんと!

330日

これは、本当に大きな安心材料です。自己都合退職の場合と比較すると、その差は歴然です。

退職理由

雇用保険加入期間

所定給付日数(45歳以上60歳未満)

自己都合退職

20年以上

150日

会社都合退職

20年以上

330日

つまり、180日もの差があります。これは約半年分の収入に相当しますから、「会社都合」として退職できたことの意味はとても大きいと感じました。

合計いくらもらえる?実際に計算してみた

では、実際に僕がもらえる失業保険の総額はどれくらいになるのか。ここまでの情報をもとに、ざっくりと計算してみます。

  • 基本手当日額:8,635円(上限)

  • 所定給付日数:330日

8,635円 × 330日 = 約2,849,550円

つまり、約285万円が、失業保険として支給される見込みです。

もちろん、これは「フルで受給した場合」の最大値。途中で再就職すれば打ち切りになるので、この金額をまるまる受け取る人はそう多くないかもしれません。

でも、逆に言えば、無理に焦って職探しをしなくてもいいという心理的な余裕にもなります。僕もこの制度に救われる思いでいます。

再就職手当という選択肢もある

ちなみに、早めに再就職が決まった場合、「再就職手当」という制度を利用できる可能性があります。これは、所定給付日数がまだ残っている状態で就職した場合に、**最大で70%**の手当が一括で支給される仕組みです。

たとえば、330日のうち200日を残して再就職した場合、残り200日分の70%が支給されるので、

8,635円 × 200日 × 0.7 = 約1,208,900円

このように、うまくタイミングが合えば、再就職と同時にまとまったお金を受け取ることもできます。

最後に:僕が感じたこと

今回、退職を前にして、初めて本気で失業保険について調べました。正直、「制度って難しい」「役所の説明は分かりにくい」と感じる部分も多かったですが、一つひとつ確認していくことで、だんだん見通しが立ってきました。

今後は、再就職も視野に入れながら、自分のペースで次の道を探していこうと思います。

もし、この記事があなたの不安や疑問を少しでも和らげることができたなら、とても嬉しいです。退職は終わりじゃなく、始まりです。一緒に、前を向いていきましょう。